こんにちは。新米えんじにあです。

研削盤の作動油ポンプが故障してると思うんですが、どうしたらいいかな?
作動油(またはクーラント)など、機械を使用しているとさまざまなポンプを使用しますが、たまに起こるポンプの不具合が発生した時に知っておくと便利な情報になります。
「作動油ポンプで実際に起きやすい不具合とその対処」について紹介します。修理の現場で出会ったトラブルをベースにしていますので、同じような症状で困っている方の参考になれば幸いです。それでは、早速紹介していきます〜!
作動油ポンプの不具合事例と対処法
1. モーターが漏電している
症状
・メインの漏電ブレーカーまたは、ポンプの漏電ブレーカーがすぐ落ちる
・絶縁抵抗計で測ると値が低い
・モーター内部に水分がある
対処

まずモーター動力線を絶縁抵抗計で確認できますか?
0.1MΩを切るようなら危険。モーター内部で漏電している可能性があります。作動油やクーラントの浸入が原因の場合も多いので、モーター〜ポンプ間のシール部品の交換もしくは、モーターの交換が必要と考えて良い内容です。
2. カップリングの滑り
症状
・モーターは回っているのに油圧が上がらない、油が出てこない
・ポンプが油を吸っているように見えない
対処

モーターの軸が回って→ ポンプの軸が回される仕組みになっているところの力の伝達をしている、カップリングが緩んでいるか、軸が摩耗しているかキーの破損により、空回りしていると予測できます。カップリングが破損していないようなら、軸部分を修正もしくは破損している軸側の新品交換が基本。定期点検でひび割れや摩耗(ガタツキ)を見逃さないことが予防につながります。
3. ポンプの吸い込み口にゴミが詰まっている
症状
・吸い込み不良でキャビテーション音(ガラガラ音)が出る
・油温が急上昇する、電磁開閉器のサーマルがトリップする(過電流になる)
・圧力が安定しない(上がらない)
対処

この場合、吸い込み口に問題があると考えます。だいたいポンプ吸い込み口には、ストレーナーが付いていることが多いので汚れやゴミで吸い込め無くなっていますので、点検しましょう。意外と「点検したことがない」という現場が多いですが、ここを確認・清掃するだけで一発解決するケースがほとんど。
4. ポンプ自体の故障
症状
・異常音(ガラガラ)
・油圧が全く上がらない
対処

ポンプとモーター軸の連結はできていて、ポンプは回転しているのにってなっていたら、もうポンプ自体の故障となります。ポンプを分解しても内部摩耗や軸自体は修理できません。ポンプ交換が基本対応になります。長期使用の場合は予備品を在庫しておくのがおすすめです。
5. モーターのベアリングが消耗して異音が出る
症状
・「ガーーー!!」「ゴーーーー!!」といった振動するような異音
・モーターの振動が大きくなる
・モーターや油温が上昇する
対処

早めにベアリング交換かモーター交換が必要です。放っておくと発熱がひどくなるし、そのうちサーマルがトリップします。もし試せるなら、手で軸を回してガタつきがあれば即交換レベルです。モーターに使用しているベアリングは、意外と一般的なものが使用されているので、モノタロウやホームセンターで手に入ることが多いです。
まとめ
作動油ポンプまわりのトラブルは、
- 電気系(漏電・モーターベアリング)
- 機械系(カップリング・ポンプ内部)
- 油系(吸い込み不良)
この3つの視点で切り分けるとスムーズに原因が見えてきます。
「油圧が出ない=ポンプ本体故障」と決めつけず、簡単なチェックから進めることが大切です。
現場での経験上、ストレーナー清掃とカップリング(連結部分)点検だけで半分以上の不具合は解決しています。
以上、今回は作動油などのポンプの不具合についてでした。
今後も色々な情報をアップしていきますので、よろしくお願いいたします。
新米えんじにあ
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