研磨機で加工をされている時に「あれ?今日なんか寸法が出ないな?」とか「え?不良が出てしまった!」時、何とかしようとして色々試してみたけど「ダメだ、治らない〜!」って時、ありませんか?今回は、CNC円筒研削盤の機械的不具合が原因で加工精度がばらついてしまう場合の不具合箇所と対処方法を説明します。
基本的に円筒研削盤で同じNC座標値の繰り返し動作で1ミクロン以上のばらつきがある、今まで問題なく精度が安定して1〜2ミクロン出ていたのが、気がつくと3〜4ミクロン以上の製品寸法のばらつきは何か問題があると考えていいでしょう。そのような不具合が発生した時は機械側をまず疑って、以下の不具合が発生していないか確認してみてください。
⚠️ 確認作業は、機械の電源を必ず切ってから行ってください。
といし台送りの摺導面の異常の確認
といし台送りの摺導面に異常がないかを確認してみてください。
確認方法:
- といし台をできるだけ作業者側へ前進させる。
- といし台後方の摺導面が出てくるので以下について確認する。
※大体NC機はカバーで覆われているので、先にカバーを外して確認が一番理想的です。
① 摺導面の乾いてサビている | ③ ターカイトの剥がれ |
③ 摺導面がざらついている | ④ 摺導面の周りにスラッジが堆積している |
上記の不具合があるようなら(程度によりますが)異常です。修理か何かしらの処置が必要です。
対処方法:そのことを直接機械メーカーへ問い合わせてください。
なぜこの不具合が起こるのかは、以下「摺動面でよくある不具合について」に説明していますのでご覧ください。
テーブル送りの摺導面潤滑油が出ていない
テーブル送りの摺導面に異常がないかを確認してみてください。
確認方法:
- テーブルを左右どちらかに移動する。
- 反対側のスライドカバーが広がり、そのカバーを外す。
- 摺導面が出てくるので目視で以下の不具合がないかを確認。
① 摺導面の乾いてサビている | ② ターカイトの剥がれ |
③ 摺導面がざらついている | ④ 摺導面の周りにスラッジが堆積している |
上記の不具合があるようなら(程度にもよりますが)異常です。修理か何かしらの処置が必要です。
対処方法:直接機械メーカーへ問い合わせてください。
なぜこの不具合が起こるのかは、以下「摺動面でよくある不具合について」に説明していますのでご覧ください。
といし軸冷却装置が機能していない
といし軸冷却装置(オイルクーラーなど)が動いているか?また入口と出口の油温が違うか?を確認して見てください。
確認方法:
- オイルクーラーの電源を入れ、装置がアラームを出していないかをみる。
- オイルクーラーが冷却作動している時にオイルクーラーの入口と出口のホースを両手で触って温度の違い(ちゃんと冷却しているか?)を確認。
対処方法:
- オイルクーラーの表示にアラームが出ていたら、アラームコード(番号)をメーカー取説で確認(もしくは直接メーカーへ問い合わせる)。
- 装置自体が冷却をしていない場合もその状況をメーカーへ問い合わせる。
なぜといし軸冷却装置のせいで寸法が狂ってしまうのかは、「といし軸冷却装置が原因で発生する不具合」で説明していますので、ご覧ください。
以上をまず確認して見てください。
いきなりメーカーへ問い合わせするとまず、上記の内容から確認を依頼されるか、メーカーの方はまず原因調査として上記の内容を訪問確認する必要があるような話になると思います。できないからメーカーを呼び寄せると修理費用が発生してしまうこともあります。できるだけ費用を抑えたい場合は、自分でできることをしてからメーカーへ問い合わせることをお勧めします。
以上、加工精度が出ない場合の原因と対処方法でした。
今後も更新しながら内容を充実させていきます。よろしくお願いいたします。
新米えんじにあ