今回は、前加工の精度により工作物の長手(端面)位置がばらつく場合、研磨位置がずれてしまう対策として端面定寸装置があります。どんなものなのでしょうか。
端面定寸装置は、なぜ必要になるか?
工作物のセンター穴精度が安定していないものが流れてきた場合、もちらん機械はそんなことわからないので、工作物をプログラムされた通りに動きます。しかし、センター穴が大きかったら工作物の長手位置が左側にズレることになり、砥石と工作物の隣の段(側面)がぶつかる可能性があります。そういった時、工作物のどこか基準の位置(加工基準)を端面定寸装置で測定させることで、機械の座標(絶対座標)を毎回流れてきた工作物ごとで修正することが出来るといった装置になります。(あくまでセンター穴ばらつきです。工作物自体の加工精度がわるい場合は、端面定寸では対策できません)
その他、外径研磨+端面研磨を行う場合は必ず、必要になります。その時2パターン測定を行えますので、どちらにするかを検討する必要があります。① 研磨する端面位置から一定の量を研磨する、② ある基準面(位置)からの距離を一定にして研磨する、になります。
① 研磨する端面位置から一定の量を研磨
一般的に研磨する端面を測定器が測定して、その座標位置からの研削を決定します。このやり方は前加工の精度が安定している場合や、端面研磨をしていればOKの工作物だったりする時に採用します。
② ある基準面(位置)からの距離を一定にして研磨
これは研磨する端面位置が重要で、基準面などが通常図示されている時になります。一般的にはこの端面研磨を行うことが多いです。
端面定寸はまた、”パッシブ”タイプや、”ロケーター”タイプといったものもあり、それぞれ目的が異なります(詳細はまた別途アップします)。一概に端面測定といっても選定をミスってしまうと、機械が出来上がってから目的のことができない、変更といった不具合が出ますので使用選定の時には注意しましょう。
以上、簡単ですが端面定寸についてでした。
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