加工精度不良(その1)

加工精度不良シリーズとして今後、さまざまな状況で発生した加工精度不良についてシリーズ化し、どしどし上げていきます。発生状況や症状、不具合調査、原因、応急や対処についてまで出来るだけ細かく記載していきます。

加工精度が不安定になった不具合

発生状況:(作業員からの話)連続加工していると、昨日まで問題なかったが徐々に加工精度がマイナスしてくるようになった。補正を入れてもまたマイナスしてくるので、安定しない状態で離れられない。外径定寸で加工しているところに関しては、寸法は安定しているとのこと。特に間接加工(外径定寸が無いところの加工)でその症状がはっきり出る。

不具合調査:外径定寸加工部は問題ないとのことから、といし台送り自体に何か問題があると判断。まずといし台送り軸のバックラッシュチェックしたが、ほぼバックラッシュ無し。他にといし台送りの抵抗になるようなものがないか確認したが特になし。砥石台送り摺動面の清掃を行い、再度連続加工を実施してみたが、改善が見られなかった。砥石台送り摺動面のターカイトが少し剥がれかかっていたため、それが悪さをしていると推測。

対処:貼り直しと砥石台オーバーホールを実施することとした。工場へ砥石台持ち帰りターカイト貼り替え、再度現地でそれを組み込む。

確認①:ターカイト貼り替え後、再度同じように連続加工を実施した。結果は、変わらず寸法は悪い。私もよく確認すると、外径定寸部で5μ以上バラついている状況なので、まずそこを改善するために加工速度をオーバーライドで下げて加工した。しかし、数本問題なかったがゆっくり加工してもわるい結果がで始めた。

確認②:再度よく加工を確認すると、左がわの主軸台はフェースドライブで工作物の端面に爪を刺す仕様で工作物を回転させています。心押台側は、ライブセンターになっていて加工時にこのライブセンターが回っていない時があることがわかった。手で触っても引っかかって回転しなくなったりした。

原因:心押台のライブセンターが回ったり回らなかったりして工作物の寸法ばらつきを起こしていたと推測します。作業者は外径定寸部は問題ないと言われたが、実は他と比べて良いと判断していたようでした。

対処:代わりのライブセンターで加工すると、突然安定するようになった。

以上のように、加工寸法の不具合については、まず機械の不具合なのか?測定機器の不具合なのか?作業の不具合なのか?さまざまな要素がありますので、それを一つづつ調査していく必要があり、非常に気が重たくなる不具合案件になります。よく調査をした上での判断を求めると思います。

以上、参考になったら嬉しいです。今後もこのシリーズ頑張ってアップデートしていきますので、よろしくお願いいたします。

コメント

タイトルとURLをコピーしました