【円筒研削盤:現場レポート】なぜ「外径定寸」が必要なのか?円筒研削の仕上がり精度を支える5つの理由

こんにちは!

今回は、円筒研削盤で使われる外径定寸装置についてお話しします。

「なんでこんな装置が付いてるの?」

「NCで動かせば寸法出るんじゃないの?」

そんな疑問を持った方に向けて、外径定寸を使う本当の理由とメリットを、現場目線で分かりやすくご紹介します!


① 加工前に教示した寸法に仕上げられる!

NCプログラムの数値だけで寸法を出すには、工具の摩耗やワークの個体差、機械の熱膨張まで把握して補正を入れる必要があります。

でも、外径定寸装置があれば「この寸法(位置)になったら止める(信号を機械へ出す)」と教えておくだけで、自動で寸法がバシッと決まる!ことが可能です。

この「NC数値制御+定寸装置による位置確認」は、特に仕上げ加工では大きな安心材料です。


② 加工中に“今どれくらい削れてるか”がアンプで分かる!

定寸装置のアンプには、加工中の「現在の外径寸法(残りの取りしろ)」がリアルタイムで表示されます。

これが**“目に見える安心感”**につながります。

職人さんからすると、「そろそろ寸法に近づいてるな」とわかれば、次の段取りも考えやすく、無駄な待ち時間が減るのでストレスも少なく作業効率も上がります。


③ 同じワークを何十本、何百本連続加工しても寸法バラツキが起こりにくい!

量産品やロット加工では、1個目と50個目で寸法がズレる問題がつきもの。

でも定寸装置を使えば、定寸装置の測定子が毎回「同じ位置に来たら止める(信号を出す)」動作になるので、人の技量や機械の変化に左右されにくい状態になります。

これが品質安定の大きなポイントになります!


④ 熱膨張などによる「数値だけじゃ届かない」問題を解決!

工作機械は、使っていればどんどん温まって膨張してきます。

その結果、NC数値で同じ位置に動かしても、実際のワークとの距離が微妙にズレるなんてことが日常茶飯事。

外径定寸装置は実際のワークに触れて検出するため、数値制御だけでは補えない微妙なズレも自動補正します!


⑤ 寸法測定だけじゃない!振れや真円度の判定にも対応!

最近の定寸装置は高性能で、単に外径を測るだけでなく、

・加工前の取りしろチェック ← 前工程加工の確認

・加工前後の芯振れ(振れ)測定

・真円度の判定

など、ワークの状態を多角的に評価できる機能が増えています。

これにより、不良流出の防止や、加工前や加工時のトラブル原因の事前発見にもつながります!


【まとめ】外径定寸は“職人の目と勘”を機械が肩代わりする装置!

外径定寸装置は、いわば現場の職人が長年培ってきた“目と勘”を、数値化・自動化したような存在

寸法精度の安定はもちろん、作業の見える化や自動化にもつながる、大事な相棒です。

導入を迷っている方、今ある定寸装置をちゃんと活用できていない方、ぜひ一度見直してみてください!


定寸装置であるあるの不具合や対処、もっと色々なオプションも後日公開予定です。

「こんな使い方できる?」などの質問もコメント大歓迎です!

以上、今回は定寸装置の必要性や目的について投稿しました。

新米えんじにあ

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