円筒研削盤で表面粗さを改善する5つの方法【現場で実践できるテクニック】

今回は「円筒研削盤で表面粗さをよくする方法」について解説していきます。

現場で研削加工をしていると、「図面通りに寸法は出ているけど、表面がちょっとザラついてる…」「Ra0.4以下にしたいけど、なかなか出せない…」といった悩みにぶつかること、ありませんか?

そんなときに役立つ、すぐに試せる実践的な改善方法を5つ紹介します。

1. 砥石のドレッシング速度を見直す

砥石のドレッシングが粗いままだと、仕上がり面も粗くなります。

仕上げ加工の前に、細かめのドレッシングを入れて、砥石表面の砥粒の突出(凸凹)を整えることで、表面粗さが改善されます。

• 【ポイント】ドレッサー(ダイヤ)の送り速度を遅く(だいたい 120〜80mm/min)する

• 【注意点】ドレッシング速度を遅くしすぎると砥石の切れが悪くなるので、粗加工時に焼けなどの問題が発生することになります。バランスが必要です。

2. 研削条件を変更する

表面粗さに最も大きく影響するのが、研削速度・トラバース送り速度・切込み量です。

以下のように設定を見直すと効果的です。

• 周速(砥石の回転数)を高めに設定(←変更出来る仕様ならです)

• トラバース送り速度は遅くだいたい500mm/min 以下かな

• トラバース加工では、切込み量は浅くする(ワークの1回転あたり0.001~0.003mm程度)

・プランジ加工では、低速(精研速度)でゆっくり切込むだいたい0.15~0.10mm/min

3. クーラントの状態をチェックする

意外と見落とされがちなのがクーラントの状態です。

クーラントが汚れていたり、濃度が薄すぎると、冷却・潤滑効果が落ちて表面に影響が出ます。

• 【改善方法】クーラントを定期的に交換(1年に一回)、濃度も規定値に!

• 【おすすめ】フィルター付きのクーラントタンクを導入すると効果的です。色々ありますよ。

4. 砥石の選定を見直す

砥石の粒度・硬度・結合度によって仕上がりは大きく変わります。

仕上げ重視であれば、**粒度の細かい砥石(#120~#180)**を選びましょう。
通常の加工では、#80程度が主流です

• WA系よりもGC系の方が砥粒が尖っていて表面がきれいになりやすい(材料にもよりますので、砥石メーカーに問い合わせるのがベスト!)

• レジノイド砥石は仕上げ向き(これは最終手段)

5. 機械の振動を抑える

表面粗さがなかなか改善しない場合、機械本体の振動など別の原因かもしれません。

• 芯押し台やワークの固定にガタつきがないか確認

• ワークの回転バランスを調整

• 機械の据え付け面のレベルを確認

・砥石のバランスが出ているか確認

振動が抑えられるだけで、仕上がりが一気に向上するケースもあります。


まとめ

表面粗さの改善には、以下の5つがポイントです。

1. 砥石のドレッシングを細かく丁寧に

2. 最終仕上げの研削条件を慎重に設定

3. クーラントの状態を見直す

4. 適切な砥石を選ぶ

5. 機械の振動をチェックする

どれも明日から実践できる内容なので、ぜひ試してみてください。

ご覧いただきありがとうございます。今後も色々な経験で得た知識をここに紹介していきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。

タイトルとURLをコピーしました