メインブレーカーが突然落ちた≒漏電不具合

 お客様からの問い合わせでよくある、機械のメインブレーカーが落ちたや、ブレーカーが半落ちしたなどは、おおよその原因は漏電が発生している不具合になります。

 まず、機械の大本のメインブレーカーは通常、漏電ブレーカーになっています。よって、機械の200Vなど、どこかのモーターや動力、電気を使用している場所でもし電気が漏電(ショート)してどこかに流れてしまったら、その分ブレーカーよりも上位から電気を補おうとしてより多くの電流が流れてきてしまい、それにより規定以上の電気が流れるためブレーカーが(半)落ちます。

 もしも漏電ブレーカーでなかったら、漏電した場所の電流を補うために、瞬時的にメイン電流を流そうともっと大きな電流を流そうとします。よって、電気配線に予定よりも多い電気が流れるので、配線が熱くなります。そのままの状態で置くと、配線が溶けて発火してしまいます。

 漏電の調査ではまず、機械へつながっている動力線を一度全て外し、一つづつ繋いでブレーカーを入れます。ブレーカーが落ちた時に繋いだ動力線の先で漏電が発生していることがわかります。もしくは、逆に可能性の高い動力線を一つづつ抜きながら、ブレーカーを入れていってブレーカーが落ちなかった時に抜いた動力線の先が原因になります。

 原因箇所のおおよそがわかったら、その先の原因調査になります。原因調査は、

  1. 制御盤で抜いた動力線(U,V,W)をテスターの抵抗値(Ω)で導通を確認し、テスターを当てて普通はつながってないのですが、つながって(♾️)の状態をテスターが表示したら、間違いありません。
  2. 次に、その先にある動力の配線を一旦抜き、同じことをもう一度実施し、テスターで導通があるか確認します。これは、動力までの途中の配線でショートしていないかの確認になります。A. もしも、動力を外した状態で導通(♾️)の状態をテスターで確認したら、配線途中がショートしていますので、その箇所を特定(調査)して配線交換になります。B. テスターが反応なしなら、動力配線のショートはありません。
  3. 最後に、動力源がわかったら念の為、動力源のショートをテスターで確認しておきましょう。

最後、原因がわかったらどのように解消するかです。 

  1. 動力源(モーターなど)自体が漏電している場合・・・部品交換するしかないです。
  2. 制御盤〜動力までの配線のショートの場合   ・・・配線の交換をしましょう。

上記で原因がはっきりしない場合は、漏電ブレーカー容量が小さい(設計ミスで機械稼働初期に発生)場合があります。機械についている各機器は、それぞれ少ないけど漏れ電流があります。各機器の漏れ電流の総量が使用している漏電ブレーカーよりも多い場合は、漏電ブレーカーは反応して遮断してしまいます。この場合の判断は、配線に流れている電流を測定する機器、クランプメーターを使ってそれぞれの漏れ電流を測定してブレーカーの容量を超えているか確認するか、設計者(メーカー)へ確認をするしかありません。

以上、メインブレーカーが落ちた場合の対処と原因について解説しました。

今後とも、よろしくお願いいたします。

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