【円筒研削 現場レポート②】ワークをどう回す?回転駆動方法・第二弾!

こんにちは、研磨オタクこと”新米えんじにあ”です。
今回は、円筒研削盤における「ワークの回転駆動方式」について、第一弾のセンタ駆動やチャック駆動に続き、ちょっとクセのある駆動方式をご紹介します。現場での応用例や注意点も交えてまとめますので、機械選定や設備保全のヒントになれば幸いです。


1. バネ式ダイヤ型ケレ方式

この方式は、主に量産ラインで円筒状部分で駆動する場合に使われる方法です。

🔧 構造と動作

主軸台に取り付けられた2つの**L字型の部品(ダイヤ形状)**が、バネの力によって左右(または上下)からワークの外径をガッチリ挟み込み、摩擦力でワークを回転させる構造です。

✅ 特徴

  • ケレがなくてもワークを駆動できるため量産向き
  • センター穴があれば心押し力でセンター中心の芯が出せるため、精度加工が可能
  • センター穴が無い場合でも微妙な芯振れはあるが、荒加工であれば許容内

⚠ 注意点

  • 挟み込む力が一定しないと滑りや偏摩耗の原因に
  • ワーク外径にキズが付くリスクがある(表面硬度やコーティングのワークは注意)

2. フェースドライブ方式

こちらは少々マイナーですが、ワーク端面の“食いつき”を利用する方式です。

🔧 構造と動作

ワークの端面に尖った爪(ドライビングドッグ)を刺し込み、その接触点で回転トルクを伝えます。センタとセットで使用されることが多く、主に重研削や粗加工、量産工場の現場で見られます。

✅ 特徴

  • 抜群の回転トルク伝達が可能(滑りにくい)
  • 円筒外周を傷つけない(接触は端面のみ)

⚠ 注意点

  • 爪が食い込むため、ワーク端面に損傷が残る
  • 爪の推し力より、心押し力の方が強くないと加工精度(振れ)が悪くなる
  • 端面がやわらかいと爪がめり込みすぎて変形の恐れあり

3. その他の特殊方式(番外編)

🌀 ゴムローラ駆動(摩擦ローラ方式)

ゴム製ローラをワークに押し当てて摩擦力で回転させる。加工面に傷をつけないため、仕上げ専用測定機器との組み合わせに使われることも。

※あまりやったことないですね・・・。

🔩 ベルト駆動

極めて限定的ですが、長尺ワークなどで側面にプーリーや直にベルトを取り付けて回転させる方式。


まとめ:用途と目的に合った駆動方式を選ぼう!

駆動方式特徴適用ワーク
ダイヤ型ケレ多種量産外径で保持
フェースドライブ高トルク・端面接触・多種量産重研削
ゴムローラ/ベルト非接触・ソフトタッチ表面仕上げ後、長尺物

次回は、これらの回転方式が**外径定寸装置とどう連動してくるか?**という視点で掘り下げていきたいと思います。

ご質問や現場での「あるある」もぜひコメント欄で教えてください!

新米えんじにあ

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